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お笑いバトルロワイヤル〜vol.5〜

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/05/03 11:39
お笑い芸人を題材とした、バトルロワイヤルパロディスレッドです。
ローカルルールや過去ログ・関連スレッドは>>2以降を参照して下さい。

894 :ななし@ぼろ泣きマターリ:02/09/12 03:24
お疲れ様です。
一時半頃からリアルタイムに遭遇し見させて頂きました。
新人さんの文が大好きでした。
月並みな言葉しか言えませんがありがとうございます。
ああ今の気持ちを上手くいえない・・・

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/12 12:46
昼間っから涙してしまいました(つД`)
飛石連休好きなので、読めて良かったです。
また良かったら別の芸人さんでも書いてみてください>新人さん


896 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/12 13:34
PKNさん残念でした。でも楽しませてもらった事実は変わりません。
ありがとうございました。
コモさん、誠にお疲れさまです。
まだまだ先は長く大変さは想像を絶しますが、頑張ってくださいね。
新人さん、人を引き込む文体に感動しました。ありがとうございました。

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/12 14:01
ここの書き手さんって、書いてる芸人さん達への愛情が伝わってくるのが(・∀・)イイ!と思います。

898 :隊員名無し:02/09/12 15:43
>>646

「うわあああああああああ!」

 悲鳴と慟哭。
会場内が騒然となる。
後ろの方の群衆は、突然巻き起こった混乱が把握できず、狼狽えていた。
目の前で繰り広げられた惨事を見つめ、壇上のたけしに視線を移す。
薄笑いすら浮かべず、冷めた瞳で蠢く”烏合の衆”を見下ろす彼。
嘲っている。ノウナシドモメガ。

「…芸人らしいリアクションでも求めてたんか?」

 松本は1人小さく苦笑を浮かべ、
何故か、自分でも驚く程冷静に現実を受け入れた。


899 :隊員名無し:02/09/12 15:45
>898

『じゃあルール説明すんぞ。よく聞いてろよ』

 たけしの一言で、ピタ、と面白いくらい場が静まりかえる。
全員、今までとは目の色が違った。
自らの死を間近に視た恐怖。凍りついた表情がそれを如実に物語っていた。


『まず、主旨は単純に”殺し合い”だ。この中で最後の1人が生き残るまで
ひたすら殺し合う。例外は無ぇ。簡単だろ?
…この期に及んでまーだドッキリだろとか思ってんのは、そいつの自由だけどな。
ま、そういうのは大概直ぐ殺されっちまうから、せいぜい早く現実を直視するこった』

 提言された、単純明快な。そして、最も残酷なゲーム。

『んじゃ、あと詳しい説明は”ゲストサマ”にお任せするから。
芸人魂見せろよ?じゃねえと彼奴らに食われっちまうぞ』

 手に収まる程小さな拳銃をくるくる弄びながら、嗤う。
そう言い残し、たけしは壇上から消えた。

「あいつら?」

 その瞬間、会場の照明が一斉に消えた。
色とりどりのサーチライトが縦横無尽に走る。
けたたましい音楽が、劈くように鳴り響いた。


900 :隊員名無し:02/09/12 15:46
>899

青い稲妻が僕を攻める 炎 カラダ 焼き尽くす GETYOU♪

「スマップ?」

 隣の、名も知らぬ若手芸人が戸惑ったように呟いた。
ぱあん。
たけしの居なくなった壇上の両脇に上がる白い閃光。


『はい!こんにちわー!』


 場違いな明るい声と共に現れたのは、随分見知った”人物”だった。


901 :隊員名無し:02/09/12 15:47
>900

『こんにちわー皆さん!…あれ?返事がないなぁ。コンニチワー!』

「…中居?」
 壇上に立っていたのは、ジャニーズの中居正広だった。
以前ドラマで共演し、プライベートでもよく会っている。

『えっとおー、この度はこのように記念すべきイベントで説明役という
大役を務めることができてー感激してますう』

 にっこり。計算し尽くされた中居の完璧な”ジャニーズスマイル”
未だに鳴り続ける音楽に合わせ、バックで踊る沢山の影が鬱陶しい。
あのわさわさした軍勢は、ジャニーズJrと言ったか。聞きかじった豆知識。
そんな事、今はどうでも良いのだけれど。

『じゃあ早速説明しますね。まずー、これから数人づつ名前を呼びます。
この建物には出口が5カ所あるので、それぞれ別の場所から出て下さい。
出口で1人1つ。食料、水、ランダムな武器の入ったディパックが渡されまーす』

 にっこり。茶色のディパックを持ち上げ再度頬笑む”生粋ジャニーズ中居君”
三十路男め。恥ずかしくないんかあのボケは。
しかし、なんで寄りによってこんな人選なんだ?


…皮肉か。芸人への。



902 :隊員名無し:02/09/12 15:52
>901

『ディパックを手渡されたら、3分以内で速やかにこの建物から50M以上離れて下さい。
もたもたしてるとー、皆さんの首に付けてる首輪が自動的にボン!と爆発しますので。
そんな美味しくない死に方、したく無いデショ?』

 その台詞に、松本含めその場にいた全員、一斉に首に手をやった。
他の事に気を取られ、気付いていなかった固い感触。
気絶してる間に装着されたのだろうか。

『あ、そうそう!ここは日本圏内に浮かぶ、普段は人の住んでる島ですが
このイベントの間は無人になってます。島内は幾つものエリアに区切られていて
一日数度の島内全域放送で”危険エリア”が時間毎、認定されます。
指定された時間にその危険エリアにいると、これも首輪の爆発対象になってしまうんで
気を付けてくださいねえ。島の地図はディパックに入ってますう。
それと、無理にその首輪外そうとするとこれまた爆発しちゃうんでぇー』

 気を付けてね?
中居が間延びした語尾で付け加えた言葉に、周囲の何人かが
弾かれたように首輪から手を外す。

『それでは皆さん腰を下ろして。僕に名前を呼ばれた方は立ってください』

 ふ、と音楽が消えた。
潮が引くように滑稽な衣装のバックダンサー達が両脇にはける。
俄に、静寂が訪れた。

『まずは-------- 』

903 :隊員名無し:02/09/12 15:53
>902

 何人かの名前が呼ばれる。
呆然とした表情で立ち上がった中に、見知った顔もあった。

『…はい、今呼ばれた方はあちらの出口より外に出て下さい
えー通路が別れますので、あとは兵隊さんの指示に従ってもらいます』

 それじゃあねー、と手を振る中居の嘘くさい笑顔に見送られ
数人の”駒”が会場を後にした。
彼らの行方を想像する暇も無く、早々と次の名前が読み上げられた。

『--------山田隆夫、浜田雅功、…』


 ハマダマサトシ。
その名に、身体が自然に反応した。
そして直ぐ近く。数メートル先の人垣の中から、立ち上がる怠そうな後ろ姿。
何十年も近くで見てきた、その背中。

 …こんなに近くに居て、お互い気付かなかったのか。相手の存在に。

これが現実なのだろう。運命的なドラマのように上手く行くはずもない。
人生なんて得てしてそんなもんだ。と、俺はいつも主張してきた。
何だかちょっと可笑しくなって、松本は微かに笑みを浮かべた。

その時。


904 :隊員名無し:02/09/12 15:54
>903

浜田が何の前触れもなく振り返った。
何を探す風でも無く、何気ない視線。
しかしその目は、松本を一直線に捉えていた。

憐れむような、慈しむような、悪戯を企む子供のような、
狡い大人のような、何も見ていないような、一つしか見えていないような、
憎むような、愉しむような。
そんな、色々なものが綯い交ぜになった瞳。

 鏡がないから分からないが、
きっと、自分もそんな目をしていたのだろう。


 浜田の背中が扉の向こうに消える。


『グッドラック』



 こうして、全てが始まった。


905 :隊員名無し:02/09/12 16:05
お久しぶりです。単なるオープニングで場繋ぎな話でしたが
付き合って下さった方、どうもありがとうございました。
これで一応芸バト1に続く、となります。

書き手の皆様、いつも面白いストーリーを有り難う御座います。
PKNさん、DT合流に胸躍りましたが残念でした。
でも、楽しかったです。嬉しかったです。

DTとその周辺しか書けないので、これからは名無しに戻ります。
DT班のその後も考えてはいたのですが
自分の設定だとDTとその周囲だけでこのバトロワ自体が収束してしまうので…。
やっぱりDTと他の芸人さんの絡みも見たいし…。
もし、本当に誰もエンディングを書く方がいらっしゃらないようでしたら
呼んでください。駄文ひっさげて参上します。

それではこの辺で。このスレ、大好きです。

906 :名無しさん@お腹いっぱい。 :02/09/12 16:57
新人さん感動しました。
飛石連休最高です。川島さんも・・・
今度また書かれた際はぜひ読ませていただきます。

907 :age:02/09/12 18:47
だれか早く新スレを・・

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/12 18:54
ちょうどキリも良さげだし、そろそろ新スレ立てますか?
ローカルルールとかは今ので良い?

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/12 19:07
そうだね
ああ〜早く4見たいなあ

910 :名無しさんお腹いっぱい ◆BXpGyuyc :02/09/12 19:15
「・・・伊藤たち、まだ来ないな。」
テツこと中本哲也は後ろを振り向きつつつぶやく。先を行っていたテツ、トモ、鈴樹志保。
彼らは鈴木志保の仲間・・・松井、入山、杉林、石田のケンカを止める為にその「ケンカの現場」に向かって歩いていた。・・・のだが入山達の仲間である鈴樹が肝心の「ケンカの現場」をすっかり失念してしまい
このため、とりあえず辺りを歩き回ってみることにしたのだ
「ああ・・・。伊藤が虻川の事を思い出して座り込んで・・・。」
と、トモこと石澤智幸。
「どうする・・・?このまま田上たちを待つか?それとも・・・。」
「テツさん、今は先を行ったほうがいいです。
このままここで動かないでいると入山さんたちのケンカが・・・。」
と、鈴樹。
「…そうした方がいいな。」
テツは田上、ユリオカ、伊藤のことを案じつつ歩き出した。

911 :名無しさんお腹いっぱい ◆BXpGyuyc :02/09/12 19:15
 「あいたたたた…」
あろうことか森の中の窪に落ちたピン芸人ダンディ坂野。先ほどから姿がないかと思えばこんなところにいたのだ。
なんとか窪から脱出し森の地面に立つ。
「トモ〜!テツ〜!鈴樹さ〜ん!」
辺りを見渡しつつ、仲間の名を呼ぶ。しかし、彼らはもうケンカの現場に向かった後。
「・・・・・。」
無言状態で突っ立つダンディの間に風が吹く。
「それはいいんだけど・・・」
ゆっくり口を開くダンディ。
「・・・鈴樹さん、場所思い出せたかなあ・・・。」
ダンディには鈴樹がちゃんと迷わずにケンカの現場に行けたかどうかという他にももうひとつ気がかりを抱えていた。それは、伊藤のことであった・・・。

 「どうすればいいんだろ・・・。」
まだ泣き続ける伊藤の姿を見、田上はつぶやく。
「伊藤の記憶から『あの事』・・・相方を目の前で殺された事を
完全に消し去るのは簡単な事じゃないのかもな・・・。」
と、ユリオカ。
「・・・・・・・。」
ユリオカの言葉を聞き、黙り込む田上だった・・・。

(続く)

912 :名無しさん@初心者:02/09/12 19:18
新人さん、お疲れさまでした。
飛石連休大好きなので読めて幸せでした。
最後に感動。久々に泣きましたさ。
本当におつかれさまでした。
そして、ありがとうございました。


913 :名無しさん@初心者:02/09/12 19:50
連続でスミマセンが。
新人さん、今回の貴方の作品を見て、
番外編として福田さんのその後の話を書いてみたいと思ったのですが、
福田さん、使ってよろしいでしょうか?
書くとしても、次のスレになると思いますが…。
新人さんのすごく話が素敵だったんで、
福田さんの方も決着付けさせたいと思いまして。

もしよろしければ返事下さい。


914 :新人@感想とてもとても嬉しいです。福田編:02/09/12 19:59
[ただ一人、芸人でありながらお笑いバトルロワイヤルに参加しなかった芸人の話]


『眠れない』

看護婦にそう繰り返した。何度も、何度も
人工的に眠りへと誘う錠剤が支給されるまで

少し大きめのガラスの薬瓶がいっぱいになるまで、あと何日?
飲んだふりをして瓶に錠剤を落としていっては、あの日交わした言葉を頭の中で繰り返す

『死ぬなよ』
『うん』


岩見…お前は大嘘つきだ

それでも、放送の時に一緒に名前が呼ばれたということは
二人は最後までコンビとして生き続けていたのだろう
自分がどうあがいたところで皆そっちへ行ってしまうのであれば
早めに自分も切符を手にした方が良い、向こうで捜すのは少々大変そうだ

915 :新人@感想とてもとても嬉しいです。福田編:02/09/12 20:04

今日もまた、瓶の中に白い粒がひとつ、ふたつと増える
それは遠い昔に何度か出演した番組の、金属製のバケツとゴルフボールを連想させた

545を記録する前に、僕は我慢できずに飲み干してしまいそうだ…
そう呟いて福田は苦笑した

一日がとても長く感じた
病院内にいても自由に動くことなんてできないし
自室以外で見るテレビには、必ず他の入院患者の憶測が付きまとう

あいつはそろそろ死ぬんじゃないか
優勝候補のあいつはどうなった

そんな『声』は部屋にいても廊下を往来する人々から聞こえてくる
福田は泣き、そして笑った

この馬鹿げた“ゲーム”に参加している芸人のことを思って大泣きし
この馬鹿げた“ゲーム”を観戦している人々のことを思い切り嘲笑してみせた

916 :新人@感想とてもとても嬉しいです。福田編:02/09/12 20:05

この馬鹿げた世界から旅立ち、愛すべき芸人が多く住む世界へ早く行きたかった
そこでは生きている間に覚えた苦しいしい感情なんて全て忘れて
みんなで馬鹿をやっているに違いない。
本当の意味で、『馬鹿なこと』をやって、きっと一日中笑って過ごしているんだ
福田は次の世界にそんな希望を抱かずにはいられなかった。

そして、何日か後…

それはもしかしたら、全ての決着が着いた後だったのかもしれなかったが
福田は今の世界のことについてはもう、なにも興味を示さなかった

 岩見、藤井さん、みんな
 僕はもうそろそろそっちへ行けそうだよ…

福田はやっと口のあたりまで白く埋まった瓶を満足げに見ながら
真っ白な世界の中、痩せた頬で優しく笑った


【福田哲平 死亡】

917 :新人@感想とてもとても嬉しいです。福田編:02/09/12 20:09
>>名無しさん@初心者 様

申し訳ありません! 気づいたの全て投稿し終えた後でした…。
ただ、どうしても福田を含めて自分自身で終わらせたかったので
きっとお話はお断りしていたと思います。
しかしながらメッセージに気づかずに申し訳ありませんでした。


918 :名無しさん@初心者:02/09/12 21:04
いえいえいえ。

ただ、どうなったのかな、と気になり
もし書かれないのなら書きたいなと思っただけなので。
それに、自分が書いたとしても、
そこまで感動するような作品は書けないとですし。
出来ることなら新人さんの文章で福田完結編を見たかったですし。

なので、新人さんの福田完結編が読めて嬉しかったです。
感動しました。最高です。
本当にありがとうございました。







919 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/12 21:40
新スレ立てました。
お笑いバトルロワイアル vol.6
http://corn.2ch.net/test/read.cgi/geinin/1031834240/

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/14 05:04
 

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/14 08:23
>>898-905
お待ちしてました。やっぱりいいですねえ、ありがとうございます。
DT班のその後、読ませていただきたい度がめちゃめちゃあがってます。
DTスレかどこかで、このスレで登場する日までの
格納という形とか・・ああ見たいです


922 :用無し始末屋:02/09/14 20:26
今更なますおか話を書いてしまったので、
こちらのスレ埋めとしてupさせてください。

923 :side::02/09/14 20:28
スピーカーを通した女の声が聞こえ、増田は自然と足を向けた。
展望台の上からスピーカー越しに変声された、聞き覚えのある声で叫ばれる台詞に微かな希望を抱いて。



924 :side:Masuda:02/09/14 20:29
しばらく茂みの中を進むと、次第に声が大きくなっていき、展望台が姿を現した。
その直後、その展望台に向かう人影を見つけ、増田は近くの茂みに身を隠した。
正直、恐ろしかった。
既にスピーカーからは死亡者の名前が放送されており、この悪夢としか思えないゲームは確かに始まっているのだ。
いくつもの覚えのある名前が消されていき、それだけ、このゲームにのった者が居るという事だ。
人影が展望台に近づくにつれ、それが自分の相方の岡田だと確認でき、増田は思わず安堵の溜息を漏らした。
良かった。
相方が生きていたこと、
一人ではなくなったこと、
このゲームに岡田がのっていなかったことに。
岡田が展望台で光浦と合流したことを確かめ、増田は茂みを抜け出し自らも展望台へと駆け出そうとした。


925 :side:Masuda:02/09/14 20:31
そのとき、背後からいきなり肩を掴まれ、増田は驚きと恐怖で息を呑んだ。
頭の中が真っ白になって、とにかく突然の恐怖から逃れるため、増田は
めちゃくちゃに腕を振り回した。
「ぐっ。」
どさりと倒れる音がして、増田は恐る恐る振り返った。
痛いなぁ、と頭をさすりながらも浮かべているのは強烈な笑顔。
倒れていたのは松竹のトップ、笑福亭釣瓶だった。
「すんません釣瓶師匠、びっくりしてもうて・・。」
「ほんっま、気ぃつけぇよ。」
「あ、師匠も展望台行くとこだったんですか?岡田も今入ってったんですよ、
俺も行こう思ったとこで。はよ行きましょう。」
「アホ言え、わざわざそんな死にに行くアホどこにおんねん。」
「え?」
「あんなもん・・・ほら、来おったわ、お前も見とれや。」
そう言って、釣瓶が指差したのはもう一人の展望台に向かう人影だった。
増田はしかたなく、釣瓶に習って再び茂みに隠れ、様子を伺っていた。
死にに行く?
当たり前のように放たれた言葉が引っかかる。
まさか、光浦が罠を仕掛けているとでも言うのだろうか、それなら岡田を連れ戻さないと。
増田が慌てて立ち上がったとき、パラララ、と乾いた音がとどいた。


926 :side:Masuda:02/09/14 20:32
釣瓶は笑った。
貼り付けた笑顔をより一層楽しそうに歪ませて。
人形のように体を躍らせる岡田と光浦を見て。
二人に弾を撃ち込む森永を見て。
自分の横で、打たれる相方を凝視しながら固まっている増田を見て。
「おもろいなぁ。増田、見てみぃ、お前の相方アホやで。」
釣瓶の声は増田の耳に入ってこなかった
増田は叫ぼうとした、走ろうとした、岡田を助けようとした。
しかし
足を踏み出せなかった、手が動かなかった、歯が震えた、怖かった。
倒れた岡田と光浦に歩み寄り、岡田から銃を奪って、森永は姿を消した。
森永からは距離も離れ、茂みに隠れていた増田と釣瓶は見えなかった。
増田はその間ずっと突っ立ったままだった。


927 :side:Masuda:02/09/14 20:34
釣瓶が、お前も走っていったら面白かったんにな、と肩を叩いて茂みの中へ歩み去っていった後、
増田は震える足を踏み出して、展望台へと向かった。
森永がまた戻ってくるとも限らないし、新しい襲撃者が現れるかもしれなかった。
それでも、岡田に謝りたい一心で恐怖を押し殺して歩いた。


928 :side:Masuda:02/09/14 20:35
「ごめんなぁ、ごめんなぁ岡田、岡田、ごめんなぁ。」
服に幾つもの穴を開け、床に血を溜まらせる相方へ近づき、その横に膝をついた。
力なく投げ出される手に恐る恐る触れてみると、まだそれほど時間がたっていないからだろう、
生きているように温かかった。
「俺のせいやな、ごめんなぁ。」
彼をこの世界に無理やり引き込んだのは自分で、
この世界に入っていなければ当然、彼はこんなことに巻き込まれなかった。
死んだりしなかった。
あのまんま、平凡にサラリーマンを続けて、幸せな家庭を作って、今ものんびりと生きていたはずで。
こんな冷たいコンクリートの床で、こんな体中を穴だらけにされて死ぬはずなんかなかった。


929 :side:Masuda:02/09/14 20:36
「いっつも偉そうなことばっか言うとるくせに、俺、怖くて動けへんかった。」
どうして走り出さなかったのか。
自分は目の前で打たれる相方を眺めていた。
最初に岡田を見つけた時に、すぐに自分も行けばよかった、止めればよかった。
そうすれば・・・。
岡田を殺したのは自分だ。
「ごめん・・・。」
両手で握り締めていた岡田の手が、痙攣するように動いた。
「・・・なんであやまっとるん。」
うっすらと目を開け、自分の手を握りしめて号泣している相方を見て、
岡田は痛みに顔を引きつらせながらも微笑んだ。
「おかだ、生きとった・・。」
驚きと喜びの入り混じった顔で、岡田の体を起こそうと背中に手をやり、
ぬるりとした感触に目を見張った。
そんな相方の反応を見て、岡田はまた、少し困ったように笑った。
「・・やーもう、無理やわ・・ごっつ痛いなぁ・・・痛いわー・・・。」
岡田が二、三回辛そうに咳をすると、赤い華が薄汚れたコンクリートに飛び散った。
触れる手の体温は徐々に冷めていき、呼吸は弱まっていく。


930 :side:Masuda:02/09/14 20:37
「ちょ、待てや。まだ、まだ・・。」
混乱する頭の中でいくつもの言葉が浮かんだが、喉につっかえたように出てこなかった。
まだ、『死ぬな』
「おか・・・」
「最後まで世話掛けっぱなしやなぁ、増田ごめんな。」
岡田の手は増田の両手をすり抜け、ゆっくりと増田の肩に置かれた。
「ありがとうな。」
その言葉を境に、肩に置かれた手は急激に冷たくなっていき、その口が二度と余計なことを言うこともなかった。
展望台には、しばらく押し殺した泣き声が響いた。


931 :side:Okada:02/09/14 21:46
薄れる意識の中、近づく足音が聞こえた。
足音は自分のすぐ横で止まり、何かが手に触れた。
―――めんなぁ、ごめんなぁ。
十年以上も聞きなれた相方の声。
めったに聞けない謝罪の言葉。
痛いほど握り締められる手に落ちるのは、涙だろうか。
―――いっつも偉そうなことばっか言うとるくせに、俺、怖くて動けへんかった。
実はへタレなん知ってるわ。
生きてたんや、良かった。


932 :side:Okada:02/09/14 21:47
悪夢のようなゲーム開始を告げられ、強制的に荷物を持たされて建物の外に押し出された。
建物から出るのは時間差があった上に相方がどこにいるのかも分からなかった。
出てくるのを待っていようか迷ったが、ためらいなく武器を手にする同業者達に
恐怖を覚えて逃げ出した。
息も途切れ途切れに座り込んだ森の中、開けた鞄の中にはの中の銃。
手に収めてみると、ずしりとした重さに安心した。
同時に、恐怖に襲われた。
自分以外にもこんなものを持っているやつがそこらじゅうに居る。
死にたくなかった、殺されたくなかった。
けれど、けっして殺したくもなかった。
誰かを殺すのは殺される以上に怖かった。
途方にくれて隠れていたころ、声が聞こえた。


933 :side:Okada:02/09/14 21:48
「皆〜、戦うのはやめて〜っ」
ゲーム開始から多くの銃声が響いて、幾人もの断末魔が耳に届いた。
どちらの立場も嫌だ。
ならば、戦うのはやめよう。
光浦とさして親しいわけではなく、不安はあった。
しかし、この呼びかけに増田は応えるのではないかという希望に後押しされて
展望台へと走った。
そして、光浦の涙を見た時、自分の選択は間違っていなかったのだと確信した。
「俺もこんな戦いはあかんとずっと思うてました。一緒に探しましょ。」
なんで、殺し合いせなあかんねん。
昨日まで笑っとったくせに、なんで皆殺しあわなあかんねん。
そんな、芸人なりたかったわけちゃうけど、十年やっても相方に頼りっぱなしやけど、
笑わすのが仕事やのに、だあれも笑うっとる奴おれへん。
なんで憎みあわなあかんねん。
こんなん、おかしいやろ。
「俺ら殺そうとする奴がきても、これで光浦さんを守りますわ。」
全然守れへんかったけどな。すんません、光浦さん。
銃も取られてもうたし、最後の最後までから周りやったなぁ。


934 :side:Okada:02/09/14 21:51
「最後まで世話掛けっぱなしやなぁ、増田ごめんな。」
ネタも考えんし、時間に遅れるし、ボーっとしとるし、
インタビューもそんなうまいこと答えられへんし。
迷惑ばっかかけて、なんで増田があこまで俺を相方にしたがったんか、
今でもあんま分からんし、まさか看取られるまでするとはおもわへんかったけど、
ほんまに世話かけっぱなしやな。
「最後まで世話掛けっぱなしやなぁ、増田ごめんな。」
誰に聞くんか知らんけど。
もう、あと一言だけ、ええですか?
何回もコンビ組もう言うてくれて、この世界誘ってくれて、ずっと漫才やってくれて。
お前と居って楽しかったわ。
「ありがとうな。」
お前は生きろや。

【ますだおかだ岡田死亡】


935 :用無し始末屋 :02/09/14 21:58
あまりにもあっさり死んだますおかがもったいなかったので、ぶり返し始末。
あまりにも今更なのでスレ埋めとして使用。


936 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/14 23:55
スレ埋めにはもったいない。あげ。

937 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/15 02:25
元・フォークダンスDE成子坂と坂コロ松丘は何をするつもりだったんだろう、
終末に向けてのキーポイントとなるのかもしれない感じだったのに、
気になる。

938 :あげ:02/09/15 19:28
あげ

939 :age:02/09/15 19:39
age

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/16 08:19
age

941 :sage:02/09/16 16:59
1000寸前!誰か次のを!!!

942 :名無しさん@お腹いっぱい。:02/09/16 17:13
>>941
新スレならできてますよ。>>919

943 :w:02/09/20 10:07
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